散歩道から
by sanpomichikara
ニシンとタケノコの煮物
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タケノコ料理が続きます。身欠きニシンとタケノコの煮炊き合わせです。
身欠きニシンは米のとぎ汁に約1晩つけて戻し番茶で煮て臭みを取るのですが、最近魚コーナーで「ソフトニシン」という便利なものが出回っています。
干しが甘く半生状態です。
米のとぎ汁でさっと煮て、臭みを取ればすぐにタケノコと煮始められます。
お味は少し濃い目の甘辛に煮上げます。
木の芽は少し多めに用意して、木の芽大好きな私は一口ごとに木の芽を添えます。



ーまじめなつぶやき-
身欠きニシンは、その昔まだ冷蔵や冷凍技術がない頃、大漁のニシンをいかに保存するかの先人の知恵だったのでしょう。ニシンを三枚におろし乾燥をさせることによって油を抜き、保存食そして地方への流通に一役かったのですね。そしてまた食品の保存と言えば、塩漬けや乾燥も同様です。タケノコやウドの塩漬け、乾燥させたゼンマイやダイコン。雪国では雪の多い季節の食材として、海辺ではしけが続いたときの食材として、人が生きるための知恵のなせる業です。ところが生の旨味とまた違った味を醸し出してくれるのも保存食の醍醐味です。例えばタケノコ。義母は今の季節に湯がいたタケノコを糠と塩を混ぜた樽の中に漬け込み保存します。正月の頃、今では水煮のタケノコが真空パックになって売られているのでおせち料理にタケノコも容易に登場しますが、この塩漬けのタケノコを塩抜きしものは一味違います。甘みが数倍増します。そして夏を過ぎた頃から翌年の旬の頃まで楽しむことが出来ます。また乾燥ゼンマイ、これも水で状態を戻しますが、一度乾燥させたゼンマイは煮くずれしませんし歯ざわりもよりしゃきしゃきです。粕漬けの魚、野菜の味噌漬け・たまり漬け、干し柿、干し椎茸、干しエビ、塩辛、ジャム、寒天、凍み豆腐・・・そして梅干。塩や味噌や砂糖や太陽や風の力によって本来の味を保存の過程で違った風味に変えてしまう素晴らしい知恵は、人間の生きることへの執着から生まれ美食家の舌で育まれたような気がします。こうして何不自由なく物が手に入り食べることに困ることのない今、改めて自然の恵みに感謝したいと考えるのであります。

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by sanpomichikara | 2007-05-07 21:34 | 料理
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